第三目 強制管理(第93条―第111条)/民事執行法


(昭和五十四年三月三十日法律第4号)

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最終改正:平成一五年八月一日法律第138号

(最終改正までの未施行法令)
平成十五年八月一日法律第134号(未施行)
 

      第三目 強制管理

(開始決定等)
第93条  執行裁判所は、強制管理の手続を開始するには、強制管理の開始決定をし、その開始決定において、債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言し、かつ、債務者に対し収益の処分を禁止し、及び収益の給付義務を負う第三者があるときは、その第三者に対し収益を管理人に給付すべき旨を命じなければならない。
 前項の収益は、既に収穫し、又は後に収穫すべき天然果実及び既に弁済期が到来し、又は後に弁済期が到来すべき法定果実とする。
 第1項に規定する第三者に対する同項の開始決定の効力は、開始決定がその第三者に送達された時に生ずる。
 第1項の開始決定に対しては、執行抗告をすることができる。

(管理人の選任)
第94条  執行裁判所は、強制管理の開始決定と同時に、管理人を選任しなければならない。
 信託会社、銀行その他の法人は、管理人となることができる。

(管理人の権限)
第95条  管理人は、強制管理の開始決定がされた不動産について、管理並びに収益の収取及び換価をすることができる。
 管理人は、民法第602条に定める期間を超えて不動産を賃貸するには、債務者の同意を得なければならない。
 管理人が数人あるときは、共同してその職務を行う。ただし、執行裁判所の許可を受けて、職務を分掌することができる。
 管理人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。

(強制管理のための不動産の占有等)
第96条  管理人は、不動産について、債務者の占有を解いて自らこれを占有することができる。
 管理人は、前項の場合において、閉鎖した戸を開く必要があると認めるときは、執行官に対し援助を求めることができる。
 第57条第3項の規定は、前項の規定により援助を求められた執行官について準用する。

(建物使用の許可)
第97条  債務者の居住する建物について強制管理の開始決定がされた場合において、債務者が他に居住すべき場所を得ることができないときは、執行裁判所は、申立てにより、債務者及びその者と生計を一にする同居の親族(婚姻又は縁組の届出をしていないが債務者と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にある者を含む。以下「債務者等」という。)の居住に必要な限度において、期間を定めて、その建物の使用を許可することができる。
 債務者が管理人の管理を妨げたとき、又は事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、前項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
 前2項の申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。

(収益等の分与)
第98条  強制管理により債務者の生活が著しく困窮することとなるときは、執行裁判所は、申立てにより、管理人に対し、収益又はその換価代金からその困窮の程度に応じ必要な金銭又は収益を債務者に分与すべき旨を命ずることができる。
 前条第2項の規定は前項の規定による決定について、同条第3項の規定は前項の申立て又はこの項において準用する前条第2項の申立てについての決定について準用する。

(管理人の監督)
第99条  管理人は、執行裁判所が監督する。

(管理人の注意義務)
第100条  管理人は、善良な管理者の注意をもつてその職務を行わなければならない。
 管理人が前項の注意を怠つたときは、その管理人は、利害関係を有する者に対し、連帯して損害を賠償する責めに任ずる。

(管理人の報酬等)
第101条  管理人は、強制管理のため必要な費用の前払及び執行裁判所の定める報酬を受けることができる。
 前項の規定による決定に対しては、執行抗告をすることができる。

(管理人の解任)
第102条  重要な事由があるときは、執行裁判所は、利害関係を有する者の申立てにより、又は職権で、管理人を解任することができる。この場合においては、その管理人を審尋しなければならない。

(計算の報告義務)
第103条  管理人の任務が終了した場合においては、管理人又はその承継人は、遅滞なく、執行裁判所に計算の報告をしなければならない。

(強制管理の停止)
第104条  第39条第1項第7号又は第8号に掲げる文書の提出があつた場合においては、強制管理は、配当等の手続を除き、その時の態様で継続することができる。この場合においては、管理人は、配当等に充てるべき金銭を供託し、その事情を執行裁判所に届け出なければならない。
 前項の規定により供託された金銭の額で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができるときは、執行裁判所は、配当等の手続を除き、強制管理の手続を取り消さなければならない。

(配当要求)
第105条  執行力のある債務名義の正本を有する債権者は、執行裁判所に対し、配当要求をすることができる。
 配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

(配当等に充てるべき金銭等)
第106条  配当等に充てるべき金銭は、第98条第1項の規定による分与をした後の収益又はその換価代金から、不動産に対して課される租税その他の公課及び管理人の報酬その他の必要な費用を控除したものとする。
 配当等に充てるべき金銭を生ずる見込みがないときは、執行裁判所は、強制管理の手続を取り消さなければならない。

(管理人による配当等の実施)
第107条  管理人は、前条第1項に規定する費用を支払い、執行裁判所の定める期間ごとに、配当等に充てるべき金銭の額を計算して、配当等を実施しなければならない。
 債権者が一人である場合又は債権者が二人以上であつて配当等に充てるべき金銭で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる場合には、管理人は、債権者に弁済金を交付し、剰余金を債務者に交付する。
 前項に規定する場合を除き、配当等に充てるべき金銭の配当について債権者間に協議が調つたときは、管理人は、その協議に従い配当を実施する。
 配当等を受けるべき債権者は、第1項の期間の満了までに、強制管理の申立てをした差押債権者及び仮差押債権者並びに配当要求をした債権者とする。
 第3項の協議が調わないときは、管理人は、その事情を執行裁判所に届け出なければならない。

(管理人による配当等の額の供託)
第108条  配当等を受けるべき債権者の債権が、仮差押債権者の債権であるとき、又は第39条第1項第7号に掲げる文書の提出されている債権であるときは、管理人は、その配当等の額に相当する金銭を供託し、その事情を執行裁判所に届け出なければならない。債権者が配当等の受領のために出頭しなかつたときも、同様とする。

(執行裁判所による配当等の実施)
第109条  執行裁判所は、第107条第5項の規定による届出があつた場合には直ちに、第104条第1項又は前条の規定による届出があつた場合には供託の事由が消滅したときに、配当等の手続を実施しなければならない。

(弁済による強制管理の手続の取消し)
第110条  各債権者が配当等によりその債権及び執行費用の全部の弁済を受けたときは、執行裁判所は、強制管理の手続を取り消さなければならない。

(強制競売の規定の準用)
第111条  第45条第2項及び第3項、第46条第1項、第47条第1項、第2項、第4項本文及び第5項、第48条、第53条、第54条、第84条第3項及び第4項並びに第88条の規定は強制管理について、第84条第1項及び第2項、第85条並びに第89条から第92条までの規定は第109条の規定により執行裁判所が実施する配当等の手続について準用する。この場合において、第84条第3項及び第4項中「代金の納付後」とあるのは、「第107条第1項の期間の経過後」と読み替えるものとする。

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