第2節 再生手続開始の決定(第33条―第53条)/民事再生法


(平成十一年十二月二十二日法律第225号)

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最終改正:平成一五年八月一日法律第138号

(最終改正までの未施行法令)
平成十五年八月一日法律第134号(未施行)
 

    第2節 再生手続開始の決定

(再生手続開始の決定)
第33条  裁判所は、第21条に規定する要件を満たす再生手続開始の申立てがあったときは、第25条の規定によりこれを棄却する場合を除き、再生手続開始の決定をする。
 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。

(開始と同時に定めるべき事項)
第34条  裁判所は、再生手続開始の決定と同時に、再生債権の届出をすべき期間及び再生債権の調査をするための期間を定めなければならない。

(開始の公告等)
第35条  裁判所は、再生手続開始の決定をしたときは、直ちに、再生手続開始の決定の主文及び前条の規定により定めた期間を公告しなければならない。
 再生債務者及び知れている再生債権者には、前項に規定する事項を記載した書面を送達しなければならない。第54条第1項、第64条第1項又は第79条第1項の規定による処分がされた場合における監督委員、管財人又は保全管理人についても、同様とする。
 前2項の規定は、前条の規定により定めた期間に変更を生じた場合について準用する。ただし、再生債権の調査をするための期間の変更については、公告することを要しない。

(抗告)
第36条  再生手続開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
 第26条から第30条までの規定は、再生手続開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。

(開始決定の取消し)
第37条  再生手続開始の決定をした裁判所は、これを取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、第35条第2項に規定する者にその主文を記載した書面を送達しなければならない。

(再生債務者の地位)
第38条  再生債務者は、再生手続が開始された後も、その業務を遂行し、又はその財産(日本国内にあるかどうかを問わない。第66条及び第81条第1項において同じ。)を管理し、若しくは処分する権利を有する。
 再生手続が開始された場合には、再生債務者は、債権者に対し、公平かつ誠実に、前項の権利を行使し、再生手続を追行する義務を負う。
 前2項の規定は、第64条第1項の規定による処分がされた場合には、適用しない。

(他の手続の中止等)
第39条  再生手続開始の決定があったときは、破産、再生手続開始、整理開始若しくは特別清算開始の申立て又は再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等はすることができず、破産手続及び再生債務者の財産に対して既にされている再生債権に基づく強制執行等の手続は中止し、整理手続及び特別清算手続はその効力を失う。
 裁判所は、再生に支障を来さないと認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、前項の規定により中止した再生債権に基づく強制執行等の手続の続行を命ずることができ、再生のため必要があると認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、担保を立てさせて、又は立てさせないで、中止した再生債権に基づく強制執行等の手続の取消しを命ずることができる。
 第1項の規定によって効力を失った手続のために再生債務者に対して生じた債権及びその手続に関する再生債務者に対する費用請求権並びに前項の規定によって続行された手続に関する再生債務者に対する費用請求権は、共益債権とする。

(訴訟手続の中断等)
第40条  再生手続開始の決定があったときは、再生債務者の財産関係の訴訟手続のうち再生債権に関するものは、中断する。
 前項に規定する訴訟手続について、第107条第1項、第109条第2項(第113条第2項後段において準用する場合を含む。)又は第213条第5項(第219条第2項において準用する場合を含む。)の規定による受継があるまでに再生手続が終了したときは、再生債務者は、当然に訴訟手続を受継する。
 前2項の規定は、再生債務者の財産関係の事件のうち再生債権に関するものであって、再生手続開始当時行政庁に係属するものについて準用する。

(再生債務者等の行為の制限)
第41条  裁判所は、再生手続開始後において、必要があると認めるときは、再生債務者等が次に掲げる行為をするには裁判所の許可を得なければならないものとすることができる。
 財産の処分
 財産の譲受け
 借財 
 第49条第1項の規定による契約の解除
 訴えの提起
 和解又は仲裁合意
 権利の放棄
 共益債権、一般優先債権又は第52条に規定する取戻権の承認
 別除権の目的の受戻し
 その他裁判所の指定する行為
 前項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

(営業等の譲渡)
第42条  再生手続開始後において、再生債務者等が再生債務者の営業又は事業の全部又は重要な一部の譲渡をするには、裁判所の許可を得なければならない。この場合において、裁判所は、当該再生債務者の事業の再生のために必要であると認める場合に限り、許可をすることができる。
 裁判所は、前項の許可をする場合には、知れている再生債権者の意見を聴かなければならない。ただし、第118条第2項に規定する債権者委員会があるときは、その意見を聴けば足りる。
 裁判所は、第1項の許可をする場合には、再生債務者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、再生債務者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは再生債務者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者(以下「労働組合等」という。)の意見を聴かなければならない。
 前条第2項の規定は、第1項の許可を得ないでした行為について準用する。

(営業の譲渡に関する株主総会の決議に代わる許可)
第43条  再生手続開始後において、株式会社である再生債務者がその財産をもって債務を完済することができないときは、裁判所は、再生債務者等の申立てにより、当該再生債務者の営業の全部又は重要な一部の譲渡について商法第245条第1項に規定する株主総会の決議に代わる許可を与えることができる。ただし、当該営業の全部又は重要な一部の譲渡が事業の継続のために必要である場合に限る。
 前項の許可(以下この条において「代替許可」という。)の決定があった場合には、その決定書を再生債務者等に、その決定の要旨を記載した書面を株主に、それぞれ送達しなければならない。
 代替許可の決定は、前項の規定による再生債務者等に対する送達がされた時から、効力を生ずる。
 第2項の規定による株主に対する送達は、株主名簿に記載され、若しくは記録された住所又は株主が再生債務者に通知した住所にあてて、第10条第4項に規定する方法によりすることができる。
 前項の規定による送達をした場合には、その郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律第2条第3項に規定する信書便物(以下「郵便物等」という。)が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。
 代替許可の決定に対しては、株主は、即時抗告をすることができる。
 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

(開始後の権利取得)
第44条  再生手続開始後、再生債権につき再生債務者財産に関して再生債務者(管財人が選任されている場合にあっては、管財人又は再生債務者)の行為によらないで権利を取得しても、再生債権者は、再生手続の関係においては、その効力を主張することができない。
 再生手続開始の日に取得した権利は、再生手続開始後に取得したものと推定する。

(開始後の登記及び登録)
第45条  不動産又は船舶に関し再生手続開始前に生じた登記原因に基づき再生手続開始後にされた登記又は不動産登記法(明治三十二年法律第24号)第2条第1号の規定による仮登記は、再生手続の関係においては、その効力を主張することができない。ただし、登記権利者が再生手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。
 前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。

(開始後の手形の引受け等)
第46条  為替手形の振出人又は裏書人である再生債務者について再生手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、再生債権者としてその権利を行うことができる。
 前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。

(善意又は悪意の推定)
第47条  前2条の規定の適用については、第35条第1項の規定による公告(以下「再生手続開始の公告」という。)前においてはその事実を知らなかったものと推定し、再生手続開始の公告後においてはその事実を知っていたものと推定する。

(共有関係)
第48条  再生債務者が他人と共同して財産権を有する場合において、再生手続が開始されたときは、再生債務者等は、分割をしない定めがあるときでも、分割の請求をすることができる。
 前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って再生債務者の持分を取得することができる。

(双務契約)
第49条  双務契約について再生債務者及びその相手方が再生手続開始当時共にまだその履行を完了していないときは、再生債務者等は、契約を解除し、又は再生債務者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。
 前項の場合には、相手方は、再生債務者等に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。この場合において、再生債務者等がその期間内に確答をしないときは、同項の規定による解除権を放棄したものとみなす。
 前2項の規定は、労働協約には、適用しない。
 第1項の規定により再生債務者の債務の履行をする場合において、相手方が有する請求権は、共益債権とする。
 破産法第60条の規定は、第1項の規定による契約の解除があった場合について準用する。この場合において、同条第1項中「破産債権者」とあるのは「再生債権者」と、同条第2項中「破産者」とあるのは「再生債務者」と、「破産財団」とあるのは「再生債務者財産」と、「財団債権者」とあるのは「共益債権者」と読み替えるものとする。

(継続的給付を目的とする双務契約)
第50条  再生債務者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、再生手続開始の申立て前の給付に係る再生債権について弁済がないことを理由としては、再生手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。
 前項の双務契約の相手方が再生手続開始の申立て後再生手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、共益債権とする。
 前2項の規定は、労働契約には、適用しない。

(双務契約についての破産法の準用)
第51条  破産法第61条、第63条及び第66条の規定は、再生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第61条第1項前段及び第63条第1項中「破産宣告」とあり、並びに同項及び同法第66条第1項中「破産ノ宣告」とあるのは「再生手続開始ノ決定」と、同法第63条第1項及び第2項中「破産債権者」とあるのは「再生債権者」と、同法第66条第2項中「破産者」とあるのは「再生債務者」と、「破産財団」とあるのは「再生債務者財産」と、「破産債権」とあるのは「再生債権」と読み替えるものとする。

(取戻権)
第52条  再生手続の開始は、再生債務者に属しない財産を再生債務者から取り戻す権利に影響を及ぼさない。
 破産法第88条から第91条までの規定は、再生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第88条及び第91条第1項前段中「破産宣告」とあるのは「再生手続開始ノ決定」と、「破産者」とあるのは「再生債務者(保全管理人カ選任セラレタル場合ニ於テハ保全管理人)」と、同法第89条第1項本文中「破産ノ宣告」とあるのは「再生手続開始ノ決定」と、同項ただし書並びに同法第91条第1項後段及び第2項中「破産管財人」とあるのは「再生債務者(管財人カ選任セラレタル場合ニ於テハ管財人)」と、同法第89条第2項中「第59条」とあるのは「民事再生法第49条第1項及第2項」と読み替えるものとする。

(別除権)
第53条  再生債務者の財産の上に存する特別の先取特権、質権、抵当権又は商法の規定による留置権を有する者は、その目的である財産について、別除権を有する。
 別除権は、再生手続によらないで、行使することができる。

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