第2章 船舶の所有者等の責任の制限(第3条―第8条)/船舶の所有者等の責任の制限に関する法律


(昭和五十年十二月二十七日法律第94号)

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最終改正:平成一五年八月一日法律第134号

(最終改正までの未施行法令)
平成十五年八月一日法律第134号(未施行)
 

   第2章 船舶の所有者等の責任の制限

(船舶の所有者等の責任の制限)
第3条  船舶所有者等又はその被用者等は、次に掲げる債権について、この法律で定めるところにより、その責任を制限することができる。一 船舶上で又は船舶の運航に直接関連して生ずる人の生命若しくは身体が害されることによる損害又は当該船舶以外の物の滅失若しくは損傷による損害に基づく債権二 運送品、旅客又は手荷物の運送の遅延による損害に基づく債権三 前2号に掲げる債権のほか、船舶の運航に直接関連して生ずる権利侵害による損害に基づく債権(当該船舶の滅失又は損傷による損害に基づく債権及び契約による債務の不履行による損害に基づく債権を除く。)四 前条第2項第3号に掲げる措置により生ずる損害に基づく債権(当該船舶所有者等及びその被用者等が有する債権を除く。)五 前条第2項第3号に掲げる措置に関する債権(当該船舶所有者等及びその被用者等が有する債権並びにこれらの者との契約に基づく報酬及び費用に関する債権を除く。)
 救助者又はその被用者等は、次に掲げる債権について、この法律で定めるところにより、その責任を制限することができる。
 救助活動に直接関連して生ずる人の生命若しくは身体が害されることによる損害又は当該救助者に係る救助船舶以外の物の滅失若しくは損傷による損害に基づく債権
 前号に掲げる債権のほか、救助活動に直接関連して生ずる権利侵害による損害に基づく債権(当該救助者に係る救助船舶の滅失又は損傷による損害に基づく債権及び契約による債務の不履行による損害に基づく債権を除く。)
 前条第2項第3号に掲げる措置により生ずる損害に基づく債権(当該救助者及びその被用者等が有する債権を除く。)
 前条第2項第3号に掲げる措置に関する債権(当該救助者及びその被用者等が有する債権並びにこれらの者との契約に基づく報酬及び費用に関する債権を除く。)
 船舶所有者等若しくは救助者又は被用者等は、前2項の債権が、自己の故意により、又は損害の発生のおそれがあることを認識しながらした自己の無謀な行為によつて生じた損害に関するものであるときは、前2項の規定にかかわらず、その責任を制限することができない。
 本邦の各港間のみを航海する日本船舶の船舶所有者等又はその被用者等は、運送されるため当該船舶上にある者の生命又は身体が害されることによる損害に基づく債権については、第1項の規定にかかわらず、その責任を制限することができない。

第4条  次に掲げる債権については、船舶所有者等及び救助者は、その責任を制限することができない。
 海難の救助又は共同海損の分担に基づく債権
 船舶所有者等の被用者でその職務が船舶の業務に関するもの又は救助者の被用者でその職務が救助活動に関するものの使用者に対して有する債権及びこれらの者の生命又は身体が害されることによつて生じた第三者の有する債権

第4条の2  旅客の損害に関する債権についての責任の制限とその他の責任の制限とは、同一の事故に係るものについても、それぞれ別にしなければならない。

(同一の事故から生じた損害に基づく債権の差引き)
第5条  船舶所有者等若しくは救助者又は被用者等が制限債権者に対して同一の事故から生じた債権を有する場合においては、この法律の規定は、その債権額を差し引いた残余の制限債権について、適用する。

(責任の制限の及ぶ範囲)
第6条  船舶所有者等又はその被用者等がする旅客の損害に関する債権についての責任の制限以外の責任の制限は、船舶ごとに、同一の事故から生じたこれらの者に対するすべての人の損害に関する債権及び物の損害に関する債権に及ぶ。
 救助船舶に係る救助者若しくは当該救助船舶の船舶所有者等又はこれらの被用者等がする責任の制限は、救助船舶ごとに、同一の事故から生じたこれらの者に対するすべての人の損害に関する債権及び物の損害に関する債権に及ぶ。
 前項の救助者以外の救助者又はその被用者等がする責任の制限は、救助者ごとに、同一の事故から生じたこれらの者に対するすべての人の損害に関する債権及び物の損害に関する債権に及ぶ。
 前3項の責任の制限が物の損害に関する債権のみについてするものであるときは、その責任の制限は、前3項の規定にかかわらず、人の損害に関する債権に及ばない。
 船舶所有者等又はその被用者等がする旅客の損害に関する債権についての責任の制限は、船舶ごとに、同一の事故から生じたこれらの者に対するすべての旅客の損害に関する債権に及ぶ。

(責任の限度額等)
第7条  前条第1項又は第2項に規定する責任の制限の場合における責任の限度額は、次のとおりとする。
 責任を制限しようとする債権が物の損害に関する債権のみである場合においては、船舶のトン数に応じて、次に定めるところにより算出した金額。ただし、百トンに満たない木船については、一単位の五万六千倍の金額とする。
 五百トン以下の船舶にあつては、一単位の十六万七千倍の金額
 五百トンを超える船舶にあつては、イの金額に、五百トンを超え三万トンまでの部分については一トンにつき一単位の百六十七倍を、三万トンを超え七万トンまでの部分については一トンにつき一単位の百二十五倍を、七万トンを超える部分については一トンにつき一単位の八十三倍を乗じて得た金額を加えた金額
 その他の場合においては、船舶のトン数に応じて、次に定めるところにより算出した金額
 五百トン以下の船舶にあつては、一単位の五十万倍の金額
 五百トンを超える船舶にあつては、イの金額に、五百トンを超え三千トンまでの部分については一トンにつき一単位の六百六十七倍を、三千トンを超え三万トンまでの部分については一トンにつき一単位の五百倍を、三万トンを超え七万トンまでの部分については一トンにつき一単位の三百七十五倍を、七万トンを超える部分については一トンにつき一単位の二百五十倍を乗じて得た金額を加えた金額
 前項第2号に規定する場合においては、制限債権の弁済に充てられる金額のうち、その金額に同項第1号に掲げる金額(百トンに満たない木船については、同号イの金額)の同項第2号に掲げる金額に対する割合を乗じて得た金額に相当する部分は物の損害に関する債権の弁済に、その余の部分は人の損害に関する債権の弁済に、それぞれ充てられるものとする。ただし、後者の部分が人の損害に関する債権を弁済するに足りないときは、前者の部分は、その弁済されない残額と物の損害に関する債権の額との割合に応じてこれらの債権の弁済に充てられるものとする。
 前条第3項に規定する責任の制限の場合における責任の限度額は、次のとおりとする。
 責任を制限しようとする債権が物の損害に関する債権のみである場合においては、一単位の三十三万四千倍の金額
 その他の場合においては、一単位の百十六万七千倍の金額
 第2項の規定は、前項第2号に規定する場合について準用する。
 前条第5項に規定する責任の制限の場合における責任の限度額は、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額とする。
 一単位の四万六千六百六十六倍に船舶安全法(昭和八年法律第11号)第9条第1項の船舶検査証書に記載された旅客の数を乗じて得た金額
 一単位の二千五百万倍の金額
 制限債権者は、その制限債権の額の割合に応じて弁済を受ける。

(船舶のトン数の算定)
第8条  前条第1項及び第2項の船舶のトン数は、船舶のトン数の測度に関する法律(昭和五十五年法律第40号)第4条第2項の規定の例により算定した数値にトンを付して表したものとする。

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